2026.01.16 令和8年度税制改正① 『インボイスに関する経過措置の見直しについて』 インボイス制度の導入から約2年が経過し、免税事業者から課税事業者へ転換した方の多くが、納付税額を売上税額の2割に抑える「2割特例」を活用しています。 この2割特例は令和8年分で終了予定とされていましたが、令和8年度税制改正大綱において、新たな緩和措置として「3割特例」の導入および制度の期間延長が盛り込まれました。 (1)「3割特例」の新設 現行の2割特例終了後、個人事業主を対象として、令和9年分および令和10年分の2年間、納付税額を売上税額の3割とする「3割特例」が新設されます。 • 2割特例(~令和8年分) 例)売上消費税100万円に対し、20万円を納税 • 3割特例(令和9年分~令和10年分) 例)売上消費税100万円に対し、30万円を納税 本改正は、特例終了後にいきなり本来の税負担へ戻すのではなく、段階的に引き上げることで、小規模事業者の経営に対する急激な影響を抑えることを目的としています。 なお、本特例は個人事業主に限定されているため、法人については従来どおり、令和8年9月30日を含む課税期間をもって特例が終了します。この点については特に注意が必要です。 (2)買い手側への経過措置も「後ろ倒し」 免税事業者からの仕入れについて、一定割合を仕入税額控除できる「経過措置」についても見直しが行われました。当初は、令和8年10月から控除率が80%から50%へ一気に引き下げられる予定でしたが、改正案では、その間に「70%控除」の期間が2年間新設されています。 • 令和8年9月末まで :80%控除 • 令和8年10月~令和10年9月末:70%控除(新設) • 令和10年10月~令和12年9月末:50%控除(後ろ倒し) • 令和12年10月~令和13年9月末:30%控除(後ろ倒し) これにより、免税事業者と取引を継続する買い手企業にとっても、コスト増加のペースが緩やかになることが見込まれます。 3割特例よりも、業種(小売業・卸売業など)によっては簡易課税制度の方が有利となるケースもあります。今回の特例内容やスケジュール変更を踏まえ、自社にとって最適な課税方式をシミュレーションすることが、これまで以上に重要となります。 当事務所では、今後も制度改正を踏まえながら、皆様が最も有利な選択を行えるよう、継続してサポートしてまいります。 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)