2025.07.18 ふるさと納税制度 『ふるさと納税の基本と留意点』 ふるさと納税とは、自治体に寄附を行うことで、実質2,000円の自己負担を除いた全額が所得税および住民税から控除される制度です。寄附のお礼として自治体から返礼品を受け取ることができる点も魅力であり、年々利用者は増加しています。今や、多くの方にとって身近な節税手段のひとつとなっています。 ただし、控除される金額には上限があり、本人の所得や住民税の税額などによって異なります。(具体的には個人住民税所得割額の20%)この上限を超えた寄附については、超過分が控除対象外となるため注意が必要です。上限額の試算には、年収のほか、家族構成や扶養状況などの情報も関わるため計算は煩雑ですが、「さとふる」「ふるさとチョイス」などの主要なふるさと納税ポータルサイトでは、簡単なシミュレーション機能が用意されていますので、これらのツールを活用することをおすすめします。 例えば、年収600万円で配偶者のみを扶養している給与所得者の控除上限額は、おおよそ64,000円です。この場合、30,000円のふるさと納税を行うと、自己負担額の2,000円を差し引いた28,000円が、所得税および住民税から控除されます(限度額の範囲内であれば自己負担額を除き全額控除されます)。 原則として、ふるさと納税の控除を受けるには寄附を行った翌年に確定申告が必要ですが、給与所得のみなどで、確定申告の必要がない方で、かつ、寄附先の自治体数が5団体以内の場合には「ワンストップ特例制度」を利用することにより、確定申告を省略することもできます。 ふるさと納税は、全国すべての自治体に寄附することが可能です。(原則、居住地の場合は返礼品が貰えない点は注意)また、多くの自治体では「教育」「福祉」「まちづくり」「災害復興支援」など、使途メニューが設定されており、寄附者が寄附金の使い道を指定することができます。税金の使途に対して自ら選択し、意思を反映できるという点も、ふるさと納税の大きな魅力のひとつではないでしょうか。 なお、本年10月1日より、すべてのふるさと納税ポータルサイトにおいて「ポイント付与」が完全に廃止されることになりました。その影響により、9月には駆け込み需要による混雑や人気返礼品の在庫切れ・配送遅延が予想されます。そのため、今年は少し早めに余裕を持って寄附の申し込みを行うことをおすすめいたします。 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)