2026.08.21 税務調査のしくみ② 『KSK2導入と現行からの変更点について』 KSK(国税総合管理)システムとは、全国の国税局や税務署をネットワークで結び、納税者の申告・納税実績や各種情報を一元的に管理する国税庁の基幹システムです。 国税庁では、申告書のほか、法定調書や各種資料情報などを税務行政に活用しており、近年ではAIやデータ分析を活用した調査対象の選定など、税務行政のデジタル化・高度化が進められています。 ■ 次世代システム「KSK2」の導入 現行システムの全国運用開始から約25年が経過し、システムの複雑化・老朽化への対応や税務行政のデジタル化を進めるため、国税庁は令和8年(2026年)9月24日に次世代システム「KSK2」への更改を予定しています。 主な変更点は次のとおりです。 ① 税目を横断した情報管理 現行システムでは、法人税・所得税・消費税など税目ごとにデータベース等が構築されていますが、KSK2ではこれらを統合します。これにより、複数の税目や関連する納税者の情報を横断的に把握・活用しやすくなります。 ② 調査先からデータへのアクセスが可能に 政府機関の閉域ネットワークに接続した端末を利用することで、税務調査の現場などから必要な情報へアクセスできるようになります。これにより、税務調査の迅速化・効率化が進むことが予想されます。 ③ AI-OCRによる書面のデータ化 書面で提出された申告書や申請書等についても、AI-OCRによりデータ化・イメージ化されます。紙で提出された情報についても、デジタルデータとして効率的に活用できるようになります。 ④ 外部データとの連携・活用 金融機関への預貯金等のオンライン照会や地方税務当局とのデータ連携など、外部から得られる情報を税務行政へ活用する環境の整備も進められます。 ■ 今後の税務調査への影響 国税庁ではすでにAIやデータ分析を活用し、申告漏れの可能性が高い納税者の判定などを行っています。KSK2によって情報の一元化や外部データの活用が進むことで、今後の税務調査はより効率的かつ的確に行われることが予想されます。 納税者側においても、帳簿や請求書、領収書、契約書などの証拠資料を適切に保存するとともに、申告内容と各種資料との整合性を確保することがこれまで以上に重要となります。 KSK2への刷新を過度に恐れる必要はありませんが、税務行政におけるデータ活用が着実に進んでいることを踏まえ、日頃から正確な記帳と適正な申告を徹底することが、税務リスクを軽減する最も有効な対策となります。 当事務所では、日々の顧問業務を通じた税務リスクの未然防止から、税務調査への対応までサポートしております。ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)