2026.09.10 令和8年度税制改正③ 『特定親族特別控除の見直しと年収のポイント』 令和8年度税制改正では、基礎控除や給与所得控除の引上げに伴い、扶養親族等の所得要件が見直されました。大学生世代の子どもがいる家庭では、「特定親族特別控除」に関係する年収ラインも変わります。特定親族特別控除は、19歳以上23歳未満の親族が一定の所得を得ていても、親などが所得控除を受けられる制度です。令和7年度税制改正で創設された制度ですが、令和8年分から所得要件等が一部変更されます。今回は、アルバイト収入のある大学生世代を扶養している場合に押さえておきたいポイントを整理します。 1.扶養控除の年収ラインが「136万円」に 19歳以上23歳未満の親族は、所得要件を満たせば「特定扶養親族」として63万円の扶養控除を受けることができます。令和8年分からは、その所得要件が合計所得金額62万円以下(給与収入のみの場合は136万円以下)に引き上げられます。さらに、この金額を超えてもすぐに控除がなくなるわけではありません。合計所得金額が62万円超123万円以下であれば「特定親族特別控除」の対象となり、親族の所得に応じて一定額の所得控除を受けることができます。 2.給与収入197万円までは特定親族特別控除の対象 親族の収入がアルバイトなどの給与のみの場合、令和8・9年分は給与収入136万円超197万円以下が特定親族特別控除の対象となります。 控除額は一律ではなく、給与収入159万円以下であれば63万円の控除を受けることができます。その後は収入が増えるにつれて控除額が段階的に減少し、197万円を超えると特定親族特別控除の対象外となります。つまり、令和8年分からは、大学生世代の子どもの給与収入が136万円を超えたからといって、直ちに親の63万円の所得控除が減少するわけではなく、159万円までは同額の控除を受けることができます。 3.年末調整時には子どもの年間収入を確認 会社員が年末調整で特定親族特別控除を受ける場合は、「給与所得者の特定親族特別控除申告書」への記載が必要です。子どもの年間収入が確定していない場合でも、年末時点の見積額を確認して判定します。 特にアルバイトを複数掛け持ちしている場合は、勤務先ごとの給与を合算して確認する必要があります。前年と同じ収入額であっても、令和8年分から所得要件や給与所得控除が変わっているため、年末調整前に改めて確認しておくことが大切です。 特定親族特別控除は、大学生世代の働き方と家庭の税負担の双方に関係する制度です。「いくらまで働けるか」だけではなく、親側の控除額がどのように変化するかについても確認しておくことが大切です。 ご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)