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2025.08.20

消費税還付の論点

『売上がない課税期間の消費税の還付について』

2023年10月1日からインボイス制度が始まり、法人設立時から消費税の課税事業者となるケースが増えてきています。そのような状況下で「設立1期目には課税売上が見込めないが、商品仕入れや設備投資などの支出を行った場合、その支出にかかる消費税は還付を受けられるのか」というご質問をいただくことが多くなっています。

結論から申し上げますと、消費税法基本通達11-2-12において、「課税仕入れ等を行った課税期間において、当該課税仕入れ等に対応する課税資産の譲渡等があったかどうかは問わない」と規定されています。したがって、以下の要件を満たしていれば、売上がない課税期間であっても消費税の還付を受けることが可能です。

① 課税事業者であること
免税事業者は消費税の申告義務がないため、還付を受けることはできません。資本金が1,000万円未満の新設法人の場合は、課税事業者を選択する必要があります。
② 原則課税方式であること
簡易課税制度を選択している場合、原則、消費税の還付は受けられません。
③ 個別対応方式を採用していること
課税仕入れに係る消費税額を「課税売上に対応するもの」「非課税売上に対応するもの」「課税・非課税共通のもの」に合理的に区分する必要があります。
※還付の対象となるのは「課税売上に対応する課税仕入れ」に限られます。

近年、消費税還付申告に対する税務署の調査は非常に厳格化しています。そのため、領収書や契約書などの根拠資料を必ず保管すること、また将来発生が見込まれる課税売上と課税仕入れとの対応関係を明確にしておくことが重要です。

上記の通り、売上が立たない課税期間であっても、要件を満たせば消費税の還付は可能です。ただし、適正な区分経理と証拠資料の整備が不可欠となりますので、実務上は専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

(記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2025.07.18

ふるさと納税制度

『ふるさと納税の基本と留意点』

ふるさと納税とは、自治体に寄附を行うことで、実質2,000円の自己負担を除いた全額が所得税および住民税から控除される制度です。寄附のお礼として自治体から返礼品を受け取ることができる点も魅力であり、年々利用者は増加しています。今や、多くの方にとって身近な節税手段のひとつとなっています。

ただし、控除される金額には上限があり、本人の所得や住民税の税額などによって異なります。(具体的には個人住民税所得割額の20%)この上限を超えた寄附については、超過分が控除対象外となるため注意が必要です。上限額の試算には、年収のほか、家族構成や扶養状況などの情報も関わるため計算は煩雑ですが、「さとふる」「ふるさとチョイス」などの主要なふるさと納税ポータルサイトでは、簡単なシミュレーション機能が用意されていますので、これらのツールを活用することをおすすめします。

例えば、年収600万円で配偶者のみを扶養している給与所得者の控除上限額は、おおよそ64,000円です。この場合、30,000円のふるさと納税を行うと、自己負担額の2,000円を差し引いた28,000円が、所得税および住民税から控除されます(限度額の範囲内であれば自己負担額を除き全額控除されます)。

原則として、ふるさと納税の控除を受けるには寄附を行った翌年に確定申告が必要ですが、給与所得のみなどで、確定申告の必要がない方で、かつ、寄附先の自治体数が5団体以内の場合には「ワンストップ特例制度」を利用することにより、確定申告を省略することもできます。

ふるさと納税は、全国すべての自治体に寄附することが可能です。(原則、居住地の場合は返礼品が貰えない点は注意)また、多くの自治体では「教育」「福祉」「まちづくり」「災害復興支援」など、使途メニューが設定されており、寄附者が寄附金の使い道を指定することができます。税金の使途に対して自ら選択し、意思を反映できるという点も、ふるさと納税の大きな魅力のひとつではないでしょうか。

なお、本年10月1日より、すべてのふるさと納税ポータルサイトにおいて「ポイント付与」が完全に廃止されることになりました。その影響により、9月には駆け込み需要による混雑や人気返礼品の在庫切れ・配送遅延が予想されます。そのため、今年は少し早めに余裕を持って寄附の申し込みを行うことをおすすめいたします。

(記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2025.06.14

令和7年度税制改正②

『所得税の基礎控除等の見直しについて』

昨秋の衆議院選挙以来、話題となっていた「103万円の壁」、すなわち所得税の基礎控除・給与所得控除の見直しについて、令和7年度税制改正法が本年3月31日に可決・成立したことで、最終的な決着がつきました。期待されていた「壁の引き上げ額」が178万円に届くことはありませんでしたが、一定の引き上げが実現しました。

(1)所得制限付きで103万円から160万円に引き上げ
今回の改正では、基礎控除が48万円から95万円に、給与所得控除が55万円から65万円に引き上げられ、いわゆる「103万円の壁」は160万円まで引き上げられることになりました。
ただし、年収が160万円を超えると、基礎控除額は95万円から58万円に減少しますので注意が必要です。限定措置として、令和7年から8年にかけては、合計所得金額に応じて「95万円・88万円・68万円・63万円・58万円」の5段階で基礎控除額が逓減するしくみとなりました。

(2)特定親族特別控除の創設
この制度は、19歳から22歳までの大学生相当の子どもを持つ家庭の負担軽減を目的としたもので、年末の「働き控え問題」への対応として新設されました。
現行の特定扶養控除(年収上限103万円)に加えて活用でき、控除の対象となる年収上限は150万円と大幅に引き上げられています。控除額は最大63万円で、年収が150万円を超えても188万円までの範囲で、63万円から3万円まで段階的に控除を受けることが可能です。

(3)配偶者控除の上限が103万円から123万円に
配偶者を扶養する世帯の税負担を軽減する配偶者控除も見直され、対象となる配偶者の年収上限は103万円から123万円に引き上げられました。
123万円を超えると配偶者特別控除の対象となりますが、年収が160万円までであれば、配偶者控除と同額の38万円の控除が受けられます。さらに、年収が160万円を超えても約201万円までの範囲で、控除額は「38万円・26万円・13万円」と段階的に減少しながらも控除が適用されます。

今回の改正により、いわゆる「103万円の壁」が引き上げられ、学生やパート・アルバイトとして働く配偶者などの働き控え問題の一定の解消が図られました。
とはいえ、所得制限が設けられていることから、手取りの増加効果には限界があります。今後は、所得制限の緩和や社会保険などの他の壁の見直しなど、さらなる改正が期待されます。
(※本記事の内容は、作成日時点における法令および関連規則等に基づいて記載しています。)
2025.05.21

修繕費と資本的支出

『実務上の判断基準について』

建物や器具備品などの固定資産が老朽化や故障した場合に、修理や修繕を行うことがあります。こうした支出は、原則として経費処理が可能ですが、その内容に応じて「修繕費」として当期の費用に一括で計上できる場合と、「資本的支出」として資産計上し、耐用年数にわたって減価償却する必要がある場合とに分かれます。

一括で経費計上できれば、支出した事業年度については課税所得が少なくなり、節税につながるメリットがありますが、本来「資本的支出」として処理すべきものを誤って「修繕費」として処理すると、税務調査で否認されるリスクがあります。そのため、修理や改良を行った際には、それがすべて当期の経費になるとは限らない点に注意が必要です。

修繕費とは、資産の「維持管理」または「原状回復」のために支出される費用です。たとえば、以下のようなものが該当します。
• 建物の雨漏りを修理した費用
• 故障した機械の修理費用
• 事務機器の定期メンテナンス費用

一方、資本的支出とは、資産の価値や機能を高めたり、耐用年数を延ばしたりする目的で支出される費用です。これらは固定資産として計上され、耐用年数にわたって減価償却されます。具体例としては、次のようなものが挙げられます。
• 内装を全面的にリニューアルする工事費用
• 建物に非常用階段を新設する工事費用

とはいえ実務上では、修繕費か資本的支出かの判断が難しいケースがほとんどです。そこで、税務上では形式的な判断基準が設けられており、明らかに資本的支出に該当するものを除き、以下のいずれかに該当する場合には、原則として「修繕費」として一括計上が認められます。
• おおむね3年以内の周期で行われる修理・改良であること
• 一つの修理・改良の金額が20万円未満であること
• 金額が60万円未満、又は前期末取得価額の10%以下であること

上記の通り、修繕費を支出した際には、その内容や金額をしっかり確認し、「資本的支出」に該当しないかどうかを慎重に判断することが重要です。

(記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2025.04.15

消費税の留意点

『リバースチャージ方式について』

2015年4月の消費税法改正により、消費税のリバースチャージ方式という課税方式が一部の取引に適用されることとなりました。

◆リバースチャージ方式とは
通常、消費税の仕組みは「販売者」が「購入者」から消費税を預かり、税務署へ納めます。しかし、リバースチャージ方式では、この通常の流れが逆になり、「購入者」が消費税を税務署に納めることになります。

◆なぜリバースチャージ方式が生まれたか
海外の事業者が日本国内の事業者に対してサービスを提供する場合、日本の消費税を課税することが難しい状況がありました。
そこで海外のサービスにも日本の消費税が課税される仕組みを作ることで、国内事業者との公平性を図ることを目的として生まれました。

◆リバースチャージ方式の対象取引
1. 電気通信利用役務の提供(国外事業者が行うもの)
・インターネット広告 ⇒ バナー広告、検索連動型広告など
・コンテンツ配信 ⇒ 音楽、動画、電子書籍、ソフトウェアなどのダウンロード、
           販売やストリーミング配信(事業者向けのもの)など 
※消費者向けのものに係るプラットフォーム課税の導入については今回は省略します。

2. 特定役務の提供(国外事業者が国内において行うもの)
・芸能・スポーツ等の役務の提供
・外国人タレントやスポーツ選手による公演、試合など

◆リバースチャージ方式の対象者
※原則として以下の条件すべてを満たす者です。
・国内の課税事業者
・国外事業者から特定役務の提供を受けたこと
・課税売上割合が95%未満である(電気通信利用役務の提供の場合)
・簡易課税制度を選択していない(電気通信利用役務の提供の場合)

以上、一般消費者にとってはなじみが薄い制度ですが、海外と取引のある日本の事業者にとっては、適切に税務処理を行う上で把握しておいたほうがよい制度といえます。

(記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2025.03.22

役員に対する給与の留意点②(賞与)

『事前確定届出給与について』

従業員の賞与については、その支給額が損金(経費)になりますが、役員に対する賞与については原則として損金にはなりません。ただし、「事前確定届出給与」として、所定の期限内に届出をし、届出通りの支給日に、届出通りの金額を支給すれば損金にすることができます。

この際に注意すべきことは、支給日と支給額のいずれかが届出と異なる場合には損金として認められない点です。当然ではありますが、届出通りの支給日・支給額をしっかり遵守する必要があります。

また、この規定の厳しい部分として、一部ではなく全額が否認される点があげられます。例えば、届出額2,500万円に対して3,000万円を支給してしまった場合に、超過分の500万円ではなく3,000万円全額が否認されてしまいます。これにより損金の計上ができないため、法人の利益が増え、結果として法人税等の追加の税額が発生します。さらには、法人の損金にはならなくても個人の所得税等は3,000万円の賞与を支払ったものとしてそのまま課税されるため、まさにダブルパンチとなってしまいます。

事前確定届出給与の提出期限は原則として定時株主総会の決議をした日から1カ月となります。役員給与の変更のタイミングも同時期のケースが多いので、弊社では役員の賞与についても決算時に社長と相談の上、決定しています。届出の提出を失念して賞与を支給した場合も当然NGですので、その防止も含めて上記のようなスケジュール管理を推奨しております。

近年、役員賞与を増額し、役員報酬を減額することで社会保険料を削減するスキームがネット等で紹介されています。こちらは近い将来メスが入りそうですが、経営や資金繰りの面でも、企業の成長フェーズによっては、役員報酬を適正に設定し、毎月のキャッシュフローを安定化させることの方が、メリットが大きい場合もあります。また、金融機関や投資家からの評価も考慮する必要もあるでしょう。
上述の通り適切な管理が必要不可欠ですので、ご検討の際には専門家である税理士へのご相談をご推奨いたします。

(記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2025.02.17

令和7年度税制改正①

『iDeCo関する変更点について』

令和6年12月20日に、与党より「令和7年度税制改正大綱」が公表されました。今回の
コラムでは年々利用者が増えてきているiDeCoに関する変更点に関して取り上げます。

1. 月額掛金の上限引き上げ
・第1号被保険者(個人事業主やフリーランスの方など) 月額68,000円→75,000円
・企業年金に加入していない会社員 月額23,000円→62,000円
・企業年金に加入している会社員 企業年金と合わせて55,000円→62,000円

月額掛金の大幅な引き上げにより、小規模企業共済並みの所得控除を受けるこが出来るようになります。特に高額所得者はその重要性がますます高まると考えられます。

2. 退職所得控除の変更(いわゆる「5年ルール」が「10年ルール」へ変更)
令和8年1月以降支払の退職一時金より、退職手当金等(老齢一時金を除く)の支払いを受ける年の前年以前9年内(現行4年内)に他の老齢一時金を受けている場合には、当該老齢一時金については、退職所得控除額の計算における勤続年数の重複期間は排除することとされます。
これまでは60歳でiDeCoの老齢一時金を受け取り、5年目以降の65歳以降で勤務先の退職金を受け取れば、退職所得控除額の計算上、重複期間の排除をする必要がありませんでしたが、今改正で上記の期間が10年目以降の70歳以降まで伸びてしまいました。
なおiDeCoの老齢一時金よりも先に退職金を受け取る場合には、退職金の受け取り後19年経過しないと、退職所得控除額の計算上、重複期間の排除をすることができません。
(19年ルール)

iDeCoの老齢一時金に対する退職所得控除額は、拠出金額ではなく拠出期間に依存します。原則中途解約不可という性質上、その拠出期間は長期に渡る傾向にあります。また、昨今の転職業界の活況を鑑みますと、勤続年数に依存する勤務先からの退職金に係る退職所得控除額は減少傾向にあると推察され、会社員の最大の退職所得控除枠はiDeCoになる可能性が非常に高いと考えられます。
さらには、今後退職所得控除に関する税制改正も予定されており、今回の改正については改悪という評判もありますが、いずれにしろ「iDeCoは出来るだけ早く加入し退職所得控除の額をできるだけ大きくする(確保する)」ことが得策かと考えられます。

(記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2025.01.22

確定申告の概要について

『確定申告が必要な人・得する人』

新年明けましておめでとうございます。本年も事業者様のお役に立てる情報をご提供してまいりますので、よろしくお願いいたします。

さて、年が明け年末調整業務などが終わると、あっという間に確定申告の時期がやってまいります。具体的には2月17日から3月17日までの期間が本年度の確定申告期間となります。ちなみに確定申告とは前年1月1日から12月31日までの1年間の所得とその所得に対する税額を計算し、税務署に申告・納税する手続きのことです。

確定申告は主に個人事業主やフリーランスなどで事業所得がある人が対象となります。一方、会社員の方は会社の年末調整で簡易な調整を行い、正しい所得税を算出できるので、通常は確定申告の必要がありません。それでも年間の給与所得が2,000万円を超えている方や2か所以上で給与のある方や副業などで20万円を超える所得がある方なども確定申告が必要となります。(その他の必要なケースは、今回は割愛します)

また、確定申告が必要ではない人でも、確定申告をすることで年末調整では受けれない控除を受けることなどで、所得税が還付となる可能性もあります。代表的なものは以下の控除です。

• 医療費控除(1年間の医療費のうち、10万円を超えた部分)
• 住宅ローン控除(初年度は確定申告が必要です)
• 寄附金控除(ふるさと納税など)

ちなみにふるさと納税については5自治体以内であれば、ワンストップ特例制度を利用することで確定申告をしなくても控除を受けることが可能です。また、上記の住宅ローン控除については初年度の確定申告をした翌年からは年末調整にて控除を受けることも出来ます。

この通り、確定申告については控除の種類や適用の条件など、やや複雑な手続きではありますが、必要な方や、やらないと損をしてしまう方にとっては大切な手続きとなっております。専門家へのご相談をご希望でしたら、是非お気軽に弊社までお問合せください。

(記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2024.12.25

令和7年度税制改正大綱

『中小企業・個人事業主に影響のある改正について』

政府は20日に与党がまとめた来年度の税制改正大綱を閣議決定しました。ニュースでは103万円の壁の178万円までの引き上げを中心に盛り上がっておりましたが、残念ながら大綱の段階では引き上げ額は123万円までとなっております。ただし、こちらは継続協議を行っていくという記載が付記されているため、年明け以降もせめぎ合いが続きそうです。
今回も大綱の中で主に中小企業や個人事業主に影響のありそうな改正を記載いたします。

■所得税
・103万円の壁の123万円までの引き上げ
(基礎控除を48万円から58万円、給与所得控除を55万円から65万円へ引き上げ)
・特定親族特別控除(仮称)の創設
・生命保険料控除の拡充
・住宅ローン控除(子育て世帯等に対する控除拡充)
・エンジェル税制の拡充
・IDECOの拠出限度額の引き上げと退職所得控除の調整規定等の見直し

■資産税
・事業承継税制(贈与税) 役員就任要件・事業従事要件の緩和
 
■法人税
・高度な資源循環投資促進税制の創設
・防衛力強化に係る財源確保のための税制措置

■消費税
・外国人旅行者向け消費税免税制度の見直し

上記の通り103万円の壁の問題は年明け後も継続協議となり、同様にガソリン暫定税率の廃止についても引き続き真摯に協議を行っていくと記載されています。一方で、防衛増税や退職所得控除の調整規定等の見直しについては対象となる納税者にとっては負担増となる改正が盛り込まれました。IDECOの拠出限度額が増えて喜んだはいいものの、受け取り方によっては思わぬ納税を強いられる可能性も・・・税制改正の度に税制はどんどん複雑化しておりますので、税務については専門家である税理士にお気軽にご相談ください。

(記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2024.11.14

年収103万円の壁と基礎控除

『もし基礎控除が48万から123万に引き上がったら』

年収103万円の壁の見直しの議論が衆議院議員選挙を機に大いに話題となっています。この103万円の壁とは所得税が課税される年収ラインのことで、超えた金額に所得税が課税されることとなります。

学生やフリーターなどはこの金額を超えると扶養から外れ、親の手取りも減ることとなってしまうことから、103万円の壁と呼ばれ働き控えを促してしまう問題がありました。

ちなみに103万円という数字は、現行の基礎控除48万円と給与所得控除55万円の合計額です。今回この基礎控除を48万から123万に引き上げ、103万円の壁を178万円とする提案がなされています。

この改正の結果、影響を受けるのはアルバイト・パート従業員だけではありません。基礎控除は全所得者が対象となるため、普段この壁を意識していない給与所得者や個人事業主も恩恵をうけることとなります。

(給与所得者の税金の計算方法)
給与収入 - 給与所得控除 - 所得控除 = 課税所得
課税所得 × 税率 = 所得税

(個人事業主の税金の計算方法)
事業収入 - 必要経費 - 所得控除 = 課税所得
課税所得 × 税率 = 所得税

基礎控除は所得控除の種類の1つであるため、基礎控除が48万円から123万円に引き上げになることで所得控除額が増加し、上記どちらのケースでも課税所得が75万円減少することとなります。税率は累進課税のため所得に応じて異なりますが、仮に課税所得が500万円と仮定すると税率は20%であるため、所得税の減税額は約15万円となります。

上記に加えて住民税なども減少するので、今改正が実現すれば確実に手取りが増えることは間違いありません。現役世代の家計に余裕が生まれれば消費や投資に資金が循環していきやすいと思いますので、是非とも実現して欲しいと願うばかりです。

(記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
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