2022.11.14 インボイス制度について④ 『インボイス制度への対応が必要となる 』 インボイス制度施行にあたり、改正内容に伴うシステムや事務処理等の対応が必須となります。また、今回事例にあげた課税事業者A社と免税事業者B社はお互いに契約を見直さなければならないかもしれません。契約を見直さず今まで通りの内容なら、A社がB社の消費税を負担する事になるからです。A社にとっては当然不利な内容となるわけですが、B社にとっても契約を解消されるリスクが発生する重要な問題となります。その為、以下のような対応が必要になってきます。 ■課税事業者が対応すべきこと ①取引先が課税事業者(適格請求書発行事業者)か確認する ②取引先が免税事業者の場合の契約面の検討 ・消費税はどちらが負担するのか ・取引先が課税事業者を選択してくれるのか ・取引先が免税事業者を継続する場合の価格の交渉についてと下請法との関係について ③インボイスに対応したレジの導入などシステム面 ■免税事業者が対応すべきこと ①課税事業者(適格請求書発行事業者)を選択すべきかどうかの検討 ②選択した場合 システム面の対応や消費税の納税の準備 ③選択しない場合 取引先に自社が免税事業者であることを伝える 価格面の見直しが必要になるかどうかの確認 ※免税事業者だが、BtoCの場合 飲食店などは基本BtoCですので、インボイス制度を意識する必要はないのですが、 利用するお客様の法人比率が高い場合は対応の検討が必要となります。 なお、税制調査会で中小事業者の税負担を和らげる激変緩和措置の追加が検討にあがっているため、 具体的な対応は12月に発表される税制改正大綱を確認した後の方が良いと思います。 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2022.11.14 インボイス制度について③ 『適格請求書発行事業者以外の事業者からの仕入等は課税仕入とはならない 』 これまで課税事業者A社は仕入先が課税事業者であっても免税事業者であっても、消費税を支払っている以上、支払消費税分が課税仕入になっていました。課税仕入とは納税すべき預かり消費税から差し引くことのできる支払消費税のことをいいます。 しかし、改正により適格請求書(インボイス)の保存が、課税仕入の要件になるため、インボイスを発行できない免税事業者からの仕入は課税仕入とはならないため、消費税は支払っていないことになってしまいます。 例えば、A社の税込売上が110万円(消費税10万円)で、免税事業者B社からの税込仕入が55万円(消費税5万円)の場合、A社は5万円の消費税は支払っていないことになります。A社は預かった消費税10万円から支払った消費税5万円を差し引くことはできません。そうすると、従前は消費税の納税が5万円だったところが、改正後は10万円になります。 A社にとっては不利ですが、国税庁からすると、結果として今まで徴収できなかったB社の益税分である5万円が徴収できるようになります。本制度の趣旨は、複数税率制度の下で適正な課税を確保するための仕組みではありますが、この「益税」を防ぐ効果も大いに期待されています。 近年は、IT、美容院、塾、その他様々な企業で社内の従業員を外注化し、また、フリーランスの増加を背景にこのような益税の恩恵を受ける事業者が増加傾向にあるため、そこにメスが入った形です。そして、制度が適正に行われるようになりシステム面の進化が進むと、最終的には国税庁が今まで補足しきれなかったような売上(所得)の補足も容易となると想定されます。 ※インボイス制度実施にあたっての経過措置 激変緩和の観点から免税事業者等の仕入についても、インボイス実施後6年間は仕入税額控除相当額の一定割合を控除可能な経過措置が設けられています。 ・令和5年10月~令和8年9月 80%控除可能 ・令和8年10月~令和11年9月 50%控除可能 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2022.11.11 インボイス制度について② 『適格請求書、インボイスとは何か』 現在消費税は10%、8%など複数税率が混在しています。そのため、売手が買手に対して 適用税率や消費税額等を伝える必要があります。この必要な情報を記載した請求書を適格請求書(インボイス)といいます。この適格請求書(インボイス)の保存が課税仕入の要件となる制度を適格請求書等保存方式(インボイス制度)といいます。 【必要な記載事項】*赤字部分が今改正で追加された項目 ① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称 ② 登録番号 ③ 課税資産の譲渡等を行った年月日 ④ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(軽減対象品目である場合はその旨) ⑤ 税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率 ⑥ 税率ごとに区分した消費税額等 ⑦ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称 記載事項のうち②の登録番号は課税事業者が税務署に申請することにより附番され、この登録により事業者は「適格請求書発行事業者」となり、インボイスを発行することができるようになります。 また、免税事業者が適格請求書発行事業者として登録を受けるためには、事前に課税事業者となる必要があります。ただし、経過措置としてインボイス制度が開始される令和5年10月から一定の期間までに登録を受ける場合は、登録を受けた日から課税事業者となることができます。 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2022.11.09 インボイス制度について① 『課税事業者と免税事業者、免税事業者の益税について』 本制度は令和5年10月1日からスタートいたします。制度の内容は大変複雑ですので、先ずは大枠を理解することが重要です。また法人や課税事業者だけではなく、個人事業主や免税事業者も対応が必要となりますので、制度を理解し事前にしっかり準備を進めていきましょう。制度の理解を深めるために以下の手順で説明致します。 1. 課税事業者と免税事業者、免税事業者の益税について 2. 適格請求書、インボイスとは何か 3. 適格請求書発行事業者以外の事業者からの仕入等は課税仕入とはならない 4. インボイス制度への対応が必要となる 1.『課税事業者と免税事業者、免税事業者の益税について』 ①課税事業者とは 消費税を納める義務のある事業者を言います。 例えば、税込売上が110万円(消費税10万円)で税込仕入が55万円(消費税5万円)の場合、課税事業者A社は10万円の消費税を預かり、5万円の消費税を支払っているので、この預かり消費税と支払消費税の差額5万円を国へ納税します。 ②免税事業者とは 消費税を納める義務の無い事業者を言います。 免税事業者B社は、上記のケースの場合では預かり消費税と支払消費税の差引5万円を納税する必要はありません。この納税しなくても良い、預かったままの5万円の消費税を「益税」と言います。 原則、前々期の課税売上高が1,000万円未満の場合に免税事業者となります。必ず免税事業者となる訳ではありませんが、例外については今回は割愛いたします。 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)