2023.12.26 令和6年度税制改正大綱 『中小企業・個人事業主に影響のある改正について』 政府は22日に与党がまとめた来年度の税制改正大綱を閣議決定しました。ニュースでは所得税などの定額減税やその所得制限の有無、企業の賃上げを促すための税制の改正などの話題が中心にとりあげられておりますが、その中でも主に中小企業や個人事業主に影響のある改正をまとめてみました。 ■所得税 ・所得税・個人住民税の定額減税(所得制限あり:1,805万円) 所得税:3万円+同一生計配偶者等3万円、住民税:1万円+同一制限配偶者等1万円 ・扶養控除等の見直し *令和7年度改正で決定見込 ・生命保険料控除の拡充 *令和7年度改正で決定見込 ・住宅ローン控除(子育て世帯等に対する控除拡充) 子育て世代が認定住宅等の新築等をして令和6年中に入居した場合の限度額の上乗せ ■資産税 ・事業承継税制(提出期限の延長) 特例承継計画等の提出期限が令和8年3月31日まで2年間延長 ・住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の延長等 適用期限を令和8年12月31日まで3年間延長 ■法人税 ・賃上げ促進税制 赤字の場合など控除限度額を超えた場合に5年間繰越可能 ■その他 ・倒産防止共済(解約後2年の損金算入・必要経費の制限) 令和6年10月1日以降に解約した場合は解約後2年間損金算入・必要経費が制限 今般の政権支持率の低下が原因かはわかりませんが、今改正では以前噂されていたサラリーマン増税や防衛増税などの負担増については一旦回避された印象です。ただし、地味ではありますが倒産防止共済の損金算入などが一部制限されています。積立金額以上の欠損金等がある場合などには令和6年9月以前に一度解約することも有効なケースがあるかもしれません。その辺りも含めて税制改正についてはお気軽に税理士に相談してみてください。 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2023.11.10 年末調整とは 『仕組みと節税について』 年末調整とは、毎月の給与や賞与から天引き(控除)された所得税の合計額と、本来納税すべき年税額の差額を精算する手続です。所得税は暦年課税ですので、その年の1月1日から12月31日までの1年間の所得(給与・賞与や各種手当)の合計額に対して課税されます。毎月の給与や賞与から控除している所得税はあくまで概算の金額ですので、年末調整で計算された正しい年税額との精算が必要となるわけです。 年末調整の対象となるのは、原則として、勤務先に「扶養控除等申告書」を提出している人ですが、給与の収入金額が2,000万円を超える人など、一定の人は年末調整の対象とはなりません。また、この精算の手続をするためには、「扶養控除等申告書」のほか、必要に応じて「基礎控除申告書」、「配偶者控除等申告書」、「所得金額調整控除申告書」、「保険料控除申告書」、「住宅借入金等特別控除申告書」などを勤務先に提出する必要があります。 所得税の計算は以下の通りとなっており、「所得控除」や「住宅ローン控除」を計算するために上記の申告書を会社に提出します。 ① 給与収入 ― 給与所得控除 = 給与所得 ② 給与所得 - 所得控除 = 課税所得 ③ 課税所得 × 税率 - 住宅ローン控除などの税額控除 = 所得税額 例えばiDeCoなどは「所得控除」の小規模企業共済等掛金控除に該当しますので、制度を利用すると所得控除が大きくなるため、積み立てをしながら節税にもなります。また、ふるさと納税は「所得控除」の寄附金控除に該当し、所得税の節税になるだけでなく、所得税から控除しきれなかった金額を住民税からも控除できるお得な制度となります。ただし、一定の控除限度(上限)額を超えた分は控除を受けられないので注意が必要です。 税額控除で代表的なものが住宅ローン控除です。税額控除は課税所得に税率を乗じて計算した税額から直接控除できるためより節税効果は高いものとなります。 このようにサラリーマンにおいては、所得控除や税額控除をどう大きくするかが節税のポイントにつながってきますが、キャッシュアウトを伴うものが多いので手持ちの預金と相談しながら制度を利用することをお勧めいたします。 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2023.10.10 インボイス制度について⑥ 『消費税各種届出書の提出期限に要注意』 令和5年10月1日よりインボイス制度が施行されました。国税庁では経過措置の制定やコールセンターの設置などの対応を行っておりますが、複雑な制度ということもあり混乱はしばらく続きそうです。また、消費税については各種届出書の提出期限に特殊な取り扱いがあるので注意が必要です。 一般的に税金に関する申告・申請・届出や納税については、その期限から1日遅れただけでも受け付けてもらえず、ペナルティーが科されるものもあります。ただし、期限日が土日祝日の場合には、一部を除いて翌平日まで期限が延長されます。この一部の例外に該当するものが多いのが消費税の各種届出書です。 ・消費税簡易課税制度選択(不適用)届出書 ・消費税課税事業者選択(不適用)届出書 など これらの届出書については、消費税法において”提出期限”が定められているわけではなく、「届出書を提出した場合には、届出書を提出した日の属する課税期間の翌課税期間から~」といった規定になっていることから、翌平日までの延長が適用されません。通常の感覚で期限日となる土日祝日の翌平日に提出すると期限後となってしまいます。それではインボイス発行事業者であることを取り消す際の届出はどうなっているでしょうか。 ・適格請求書発行事業者の登録の取消を求める旨の届出書 提出期限は効力を失わせたい課税期間の初日から起算して15日前の日までとなります。そもそも15日前の日という期限そのものも、ややこしくて失念しやすいのですが、こちらも同様に翌平日までの延長が適用されません。結果、1日でも遅れると翌々課税期間まで取消が行えないこととなります。 今回は提出期限について記載しましたが、その他にも課税事業者期間の縛りなど、消費税の届出書の取り扱いはかなり複雑です。インボイス制度により免税事業者から課税事業者となる事業者はもちろんのこと、既に消費税申告に慣れている事業者の方でも専門家に相談することを強くおすすめいたします。 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2023.09.06 消費税の豆知識 『消費税は何に使われているのか?』 残暑厳しい日が続きますが、今年も残すところ4か月となりました。 そしてついに、来月1日より消費税インボイス制度が開始します。 今月のコラムはインボイス制度の内容ではなく、消費税についての豆知識です。 ◎国に納められた消費税は何に使われているのか? 消費税の使い道は、消費税法第一章第一条にて、次のように定められています。 第一条 2 消費税の収入については、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)に定めるところによるほか、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする。 消費税の使い道は社会保障給付・少子化対処のために使われると記載されています。逆を言えば、それ以外には利用できないと法律で決まっているものなのです。これは、消費税法が立法された昭和63年から変わっていません。 ◎消費税の税収は他の税と比べると? 消費税の税収は、法人税・所得税までをも抜いて最も大きな割合を占めています。 消費税の特徴として挙げられる以下の2点が理由でしょう。 ・景気の変化に左右されにくく、税収が安定していること。 ・働く世代など特定の人に負担が集中しないこと。 少子高齢化が進む我が国では社会保障費の増加対策として消費税の増税につながっていくようです。 インボイス制度の開始で益々変化する消費税ですが、背景を知るのも面白い!と思うのは職業病でしょうか・・・。 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2023.08.10 サラリーマン増税が決定されるとどうなるの? 『退職金の課税見直し編』 令和5年6月30日に政府税制調査会は中長期的な税制のあり方を示す答申を岸田首相に提出しました。財政収支の健全化や働き方が多様になっている現状を踏まえ、給与・退職金・年金に係わる税制を一体で是正する必要性を強調したものです。その中で「退職金の課税見直し」・「通勤手当への課税」などを検討している旨のやり取りが報じられて以降、「サラリーマン増税」という言葉とともに世間でも大きく騒がれるようになりました。 そこで、その中でも今回は「退職金の課税見直し」にテーマを絞り、仮に議論されている内容のような改正がなされた場合にどのような影響を及ぼすのかを見ていきたいと思います。退職金の課税見直しについては主に「退職所得控除額の見直し」が議論されています。 ■現在の退職所得の計算方法 まず、退職金を受け取った際の所得の種類は、「退職所得」となり、分離課税として他の所得とは区分し、税金の計算方法は以下の算式により計算されます。 (退職金-退職所得控除)×1/2 × 税率(約15%~55%) ■退職所得控除の計算方法 上記計算に用いる退職所得控除の計算は以下の通りです。 ・勤続年数20年以下の場合→40万円×勤続年数 ・勤続年数20年超の場合→800万円+70万円×(勤続年数-20年) ※勤続年数が35年の場合、退職所得控除の計算は以下の通りになります。 800万円+70万円×(35年-20年)=1,850万円 ■退職所得控除が見直された場合の税額への影響 ※仮に退職所得控除の計算で、「勤続年数20年超の控除額が70万円から40万円」に見直された場合 (例)退職金2,000万円 勤務年数35年のケース ①従来 (2,000万円-1,850万円)×1/2 ×税率(約15%) = 約11万円 ②見直し後 (2,000万円-1,400万円) ×1/2 ×税率(約20%) = 約50万円 ※40万円×35年 =1,400万円 結果、以前に比べて約40万円の税金を追加で支払わなければならなくなりました。またこちらは会社から支給された退職金だけではなく、iDeCoで一時金を受け取った方、小規模企業共済制度を利用して退職金を受け取った方も同様に対象となります。 ただ、それでも退職金は所得控除が厚く、分離課税で他の所得とは合算されない点や退職所得控除後の所得の2分の1を課税する点など税制上の優遇が大きいため、今回のような提言がなされたものと考えられます。多くの方の老後の生活設計に大きな影響を与える内容となるため、次回の税制大綱へどのように反映されるのか、今後の展開が気になります。 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2023.07.06 税務上の給与と外注費の違いについて 『総合勘案による判断 』 一般的に給与と外注費の区分は「給与は雇用契約」「外注費は請負契約又は委任契約」といった契約の形態で判断していると思います。また、支払者側からすると給与ではなく外注費にすることで、消費税の仕入税額控除の適用や社会保険料の会社負担分がかからないなどのメリットがあるため、実際には雇用契約に近い状況でも、外注として契約するケースも散見されます。 税務上では外注費に関する明確な定義はなく、給与と外注費の区分は以下のような基準にしたがって総合勘案して判断することとされています。 ① 代替性の有無 ・・・他人が代替して業務を遂行することが可能かどうか (可能な場合は外注費として判断される可能性が高くなります) ② 拘束性の有無 ・・・作業時間の指定や報酬が時間を単位として計算されるなど時間的拘束があるか (時間的拘束がある場合は給与として判断される可能性が高くなります) ③ 指揮監督の有無 ・・・仕事の遂行に当たり個々の作業について指揮監督を受けるか (指揮監督を受ける場合は給与として判断される可能性が高くなります) ④ 報酬請求権の有無 ・・・引渡しを完了していない完成品が不可抗力のため滅失した場合等において、既に遂行した業務又は役務に係る報酬の支払いを請求できるかどうか (請求できる場合は外注費として判断される可能性が高くなります) ⑤ 材料・用具等の供与有無 ・・・材料や作業用具等が提供されているか (提供されている場合は給与として判断される可能性が高くなります) 上記の基準にしたがって実態を総合勘案で判断することとなりますので、どれかひとつが当てはまるからといってすぐに給与・外注費と区分できるものではありません。また、業界的な慣習なども考慮したうえで、総合的に見て実質的にはどちらに該当するかを判断することとなります。 したがって、仮に契約書上で請負や委任契約と定めていても、事実に基づいて総合勘案されるため、実態が雇用契約と同様な働き方であれば外注費として認められません。 そして、税務調査において外注費が給与とされると、源泉所得税の徴収漏れの指摘とともに消費税の仕入税額控除が否認されます。また、後から源泉所得税を支払先から徴収するのは容易ではないため、最終的には会社が全て負担することとなってしまうことが多いです。 外注費を否認されないためには、上記の判断基準のうち雇用契約と同視されるおそれのある内容を出来るだけ改善する必要があります。また、実態で判断するとはいえ、契約書や請求書等をしっかり整備しておくことも非常に重要です。 今回の論点だけではなく、税務上では事実に基づいて判断するケースが多く、その判断が難しいものも多くありますのでご注意ください。 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2023.06.14 国税庁公表データに見る相続税申告・調査等の実態について 『令和3事務年度における調査状況及び申告実績』 毎年12月中旬頃になると国税庁は前事務年度の相続税の調査状況及び申告実績を公表します。昨年公表された令和3事務年度における調査状況及び申告実績によると、被相続人数は143万9,856人、このうち相続税額のある申告書の提出に係る被相続人数は13万4,275人、相続税の課税割合は9.3%で基礎控除額の引き下げのあった平成27年以降過去最高となりました。株価や土地(路線価)の価格は引き続き高騰しているため、令和4年以降もこの記録を更新していくことになりそうです。 この課税割合とは被相続人全体のうち相続税額の発生した割合を示しているため、およそ亡くなった10人に1人の割合で相続税が発生していることとなります。 一方、相続税の実地調査件数は6,317件で、新型コロナ等の影響で低水準となりましたが、文書や電話等による簡易な接触による接触件数は14,730件で過去最高となり、両方を合わせると申告書を提出した人のうちおよそ6人に1人の割合で実施されていることがわかります。また、実地調査の際はおよそ10人に9人が、簡易な接触では4人に1人の割合で申告漏れや評価誤りの指摘を受けており、1件当たりの追徴税額はそれぞれ886万円と47万円でした。 ただし、上記は相続税額のある申告書についての割合ですので、配偶者の税額軽減や小規模宅地の特例等により相続税額が発生しなかった申告書の件数や、無申告の件数は加味されておりません。したがって、相続税申告書の提出が必要な割合はもっと高いこととなります。ちなみに、無申告事案の調査件数は576件で1件当たりの追徴税額は1,293万円とかなりの高水準でした。 ここまで公表データをもとに相続税申告・調査等の実態を詳しくご紹介いたしましたが、相続税については税務調査を受ける割合は非常に高く、また実施されると高い確率で少なくない追徴税額を納めていることがお分かり頂けたかと思います。税務調査は無作為に行われているわけではありません。申告書の計算誤りや過小申告・無申告の疑いがある場合に行われます。 したがって、調査に入られても問題のない適正な申告書を作成することが重要です。さらには調査に入られないように事前にコツを押さえた申告書の書き方や添付資料の付け方もありますので、申告が必要かどうかの判断も含めて、相続税に強い税理士に早くからご依頼頂くことをおすすめいたします。 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2023.05.08 確定申告 還付加算金について 『確定申告 還付加算金について』 新緑の美しい季節となりました。 確定申告も終わり、税金の納付・還付手続きも完了されているころでしょうか? 今回のコラムは、確定申告で所得税・消費税の還付を受けられる方の「還付加算金」についてです。 ※法人については、今回は割愛いたします。 ●還付加算金とは? 還付を受けられる方の中で、還付金額に「還付加算金」というものが別途追加されることがあります。 税務署から「国税還付金振込通知書」というハガキは届いておりますでしょうか? こちらの「支払金額」の下に「内還付加算金 ○○円」と記載されます。 これは何かと言うと、前年実績から決定された予定納税(税金の前払)の支払い金額に対して、実際のその年の納税額が少なかった場合に利息が付いて還付されるものです。 利率は令和5年分については0.9%となります。なかなかに高い利率です。ちょっと嬉しいですね! さて、ちょっと嬉しい還付加算金ですが、1点だけ注意が必要です。 今年受け取った還付加算金部分については、今年の収入の「雑所得」として確定申告が必要になります。 (給与所得者で他の所得が20万円以下の場合は確定申告が不要な場合もあります) この収入に対する消費税はかからず、課税対象外取引に分類されます。 「国税還付金振込通知書」を保管いただき、忘れずに申告を行いましょう。 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)
2023.04.17 新NISAについて 『NISAの税制改正による変更点 』 2024年より、税制優遇制度「NISA(少額投資非課税制度)が大幅に抜本改正されることとなりました。 改正による変更点は以下の通りです。 ◆非課税保有期間が無期限となります。 【従来のNISA】 つみたてNISA 20年間 一般NISA 5年間 【新NISA】 つみたて投資枠(旧 つみたてNISA) 無期限化 成長投資枠(旧 一般NISA) 無期限化 ◆年間非課税投資枠が拡大します。 【従来のNISA】 ①つみたてNISA 40万円 ②一般NISA 120万円 ※①、②併用不可 【新NISA】 ①つみたて投資枠(旧つみたてNISA) 120万円 ②成長投資枠(旧一般NISA) 240万円 ※①、②併用可能 ◆非課税保有限度額が拡大します。 【従来のNISA】 つみたてNISA 800万円 一般NISA 600万円 【新NISA】 1,800万円 (ただし、成長投資枠で使える金額は1,200万円まで) ◆売却しても投資枠が復活します 【従来のNISA (限度額まで投資後売却した場合) 】 ・つみたてNISA 限度額800万円投資し、300万円売却 ⇒ 800万円投資しているので新たな投資不可 ・一般NISA 限度額600万円投資し、300万円売却 ⇒ 600万円投資しているので新たな投資不可 【新NISA (限度額まで投資後に売却した場合) 】 ・限度額1,800万円投資後に、成長投資枠を300万円売却した場合 ⇒成長投資枠・つみたて投資枠、それぞれの投資枠で300万円新たに投資可能 ・限度額1,800万円投資後に、つみたて投資枠を300万円売却した場合 ⇒つみたて投資枠のみ、300万円新たに投資可能 (成長投資枠は上限1,200万円を既に使い切っているため) ※まとめ 上記のように、新NISAは従来のNISAと比べて大幅に利用しやすくなりました。 ただし、上記の恩恵が受けられるのは、売却益が出た場合のみが対象であり、損をしてしまっては元も子もないので、冷静な判断のもとで投資を行う必要があると思われます。 記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。
2023.03.17 交際費について 『1人飲みは交際費となるのかどうか?』 近年は副業推奨の流れもあり、副業で始めたビジネスが軌道に乗り、会社を辞めて本格的に事業を行う方が増えてきている印象を受けます。そこで交際費が経費になるか否かについての基本的な考え方を紹介します。 事業を始めたばかりの方ですと、「支出=全て経費」といった考えが根底にある様に見受けられます。その上で、居酒屋・スナック・キャバクラ・プレゼント・ゴルフ等々にかかる支出は交際費といった様に、ざっくりと感覚的に判断しているのではないでしょうか。 税務上では「交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」とされており、また「売上に貢献する又はその可能性がある」ということが前提となっております。したがって、売上に貢献しない支出を経費とすることはできません。しかしながら、直接売上に貢献しなくても、その接待等の行為が将来売上に貢献するのであれば交際費として経費となります。この接待等の行為には、取引先や潜在顧客に対して行った接待も含まれます。 それでは一人飲みはどうなるでしょうか?一人飲みを先の解説にあてはめてみますと、売上にも貢献しませんし、接待している相手(取引先など)もいません。「一人でスナックに行くことによりやる気が上がり、業績アップにつながったので売上に貢献しています。」と主張したい気持ちはわかりますが、接待をする相手がいませんので経費にはできません。基本的には飲食代として経費にするには、少なくとも2人以上が必要になります。 それでは一人カフェの場合はどうでしょうか?そこで仕事をしている場合は経費となる可能性もあるかもしれませんが、基本的には同じ考え方となります。個人の確定申告においても概ね同様の基準となりますので参考にしてみてください。 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)