2024.03.19 確定申告と累進課税制度 『累進課税のインパクトについて』 つい先日、確定申告業務が終わりました。この時期に私達は数多くの方の確定申告書を見ることになります。毎年恒例ではありますが、この時期になると改めて累進課税のインパクトを感じます。 皆様も我が国の所得税は累進課税ということは認識しているかと思いますが、なんとなく年収が5倍になったら所得税も5倍くらいになるだろうといったぐらいの感覚の方が大半ではないでしょうか。 そこで、今回は具体的な数値で年収が5倍になった時の所得税を示してみたいと思います。 対象者は年収2,500万円のAさんと年収500万円のBさんです。 前提条件(令和5年末時点) ・40歳男性で既婚者のサラリーマン(給与所得者) ・奥様は働いており年収400万円 ・お子様2人、10歳と15歳 ・社会保険料:Aさんは1,679,472円としBさんは735,048円 (年収÷12を東京都の標準報酬月額にあてはめた概算) ・生命保険料等の各種控除関係、住宅ローン控除は度外視 以上の条件による所得税(復興税含む)の計算結果は以下の通りです。 ・Aさん 5,615,500円 ・Bさん 139,700円 Aさんの年収はBさんの5倍ですが、Aさんの所得税はBさんの約40倍となりました。 これが累進課税のインパクトです。さらにこちらに加えて住民税や社会保険料の負担も増加しますので、まさに働けど働けどわが暮らし楽にならざり・・・ (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)