2023.10.10 インボイス制度について⑥ 『消費税各種届出書の提出期限に要注意』 令和5年10月1日よりインボイス制度が施行されました。国税庁では経過措置の制定やコールセンターの設置などの対応を行っておりますが、複雑な制度ということもあり混乱はしばらく続きそうです。また、消費税については各種届出書の提出期限に特殊な取り扱いがあるので注意が必要です。 一般的に税金に関する申告・申請・届出や納税については、その期限から1日遅れただけでも受け付けてもらえず、ペナルティーが科されるものもあります。ただし、期限日が土日祝日の場合には、一部を除いて翌平日まで期限が延長されます。この一部の例外に該当するものが多いのが消費税の各種届出書です。 ・消費税簡易課税制度選択(不適用)届出書 ・消費税課税事業者選択(不適用)届出書 など これらの届出書については、消費税法において”提出期限”が定められているわけではなく、「届出書を提出した場合には、届出書を提出した日の属する課税期間の翌課税期間から~」といった規定になっていることから、翌平日までの延長が適用されません。通常の感覚で期限日となる土日祝日の翌平日に提出すると期限後となってしまいます。それではインボイス発行事業者であることを取り消す際の届出はどうなっているでしょうか。 ・適格請求書発行事業者の登録の取消を求める旨の届出書 提出期限は効力を失わせたい課税期間の初日から起算して15日前の日までとなります。そもそも15日前の日という期限そのものも、ややこしくて失念しやすいのですが、こちらも同様に翌平日までの延長が適用されません。結果、1日でも遅れると翌々課税期間まで取消が行えないこととなります。 今回は提出期限について記載しましたが、その他にも課税事業者期間の縛りなど、消費税の届出書の取り扱いはかなり複雑です。インボイス制度により免税事業者から課税事業者となる事業者はもちろんのこと、既に消費税申告に慣れている事業者の方でも専門家に相談することを強くおすすめいたします。 (記事の内容は作成日現在の法令・関係規則等をもとに作成しております。)